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コンバージョン率とは?中小企業のホームページ改善で見る数字と判断の基本

ホームページへのアクセスはあるのに、問い合わせや見積相談につながらない。そんなときに確認したい指標の一つが、コンバージョン率です。

コンバージョン率とは、ホームページを訪れた人のうち、会社が目的としている行動まで進んだ割合を示す数字です。問い合わせ、見積依頼、資料請求、予約、購入など、何を目的とするかによって対象は変わります。

ただし、コンバージョン率が高ければ良いホームページ、低ければ悪いホームページと単純に判断することはできません。

中小企業の法人サイトでは、問い合わせの件数だけでなく、どのような相談が届いたか、その後に商談や受注へつながったかも重要です。

ここでは、コンバージョン率とは何を表す数字なのか、どのように見ればホームページ改善の判断材料になるのかを整理します。

コンバージョン率とは、目的の行動に至った割合

コンバージョンとは、ホームページ上で会社が成果として設定した行動のことです。

英語ではConversionと表記され、CVと略されます。コンバージョン率はConversion Rate、略してCVRと呼ばれることがあります。

たとえば、企業サイトであれば問い合わせ送信や見積依頼、資料請求などが代表的です。ECサイトなら購入完了、採用サイトなら応募完了をコンバージョンと考えることができます。

コンバージョン率は、一般的には次のような考え方で算出します。

コンバージョン率 = コンバージョン数 ÷ 対象となる訪問数やユーザー数 × 100

たとえば、1か月に1,000セッションがあり、そのうち10件の問い合わせがあった場合、セッションを基準にしたコンバージョン率は1%です。

ただし、何を分母にするかによって数値は変わります。

セッション数を基準にする場合もあれば、ユーザー数を基準に見る場合もあります。大切なのは、毎月同じ定義で比較することです。

計算式そのものより、「何を成果として数え、何を基準に割合を見るのか」を最初に決めることが重要です。

何をコンバージョンとするかを先に決める

コンバージョン率を見る前に、自社のホームページで何を成果とするのかを決めます。

問い合わせフォームがあるからといって、すべての会社が問い合わせ送信だけを見ればよいわけではありません。

たとえばBtoB企業では、見積相談が最終的な目的でも、その前に事例を読む、会社案内を確認する、料金ページを見るといった行動があります。

ECサイトでは購入が主要な成果ですが、カートへの追加や会員登録なども、購入に近づいていることを知る材料になります。

採用サイトなら応募だけでなく、募集要項の閲覧やエントリーページへの移動も参考になります。

そのため、まずは、

「このホームページを見た人に、最終的にどの行動をしてほしいのか」

を決めることが先です。

ホームページの役割が曖昧なままコンバージョン率だけを見ても、数字が良いのか悪いのか判断しにくくなります。

主要な行動と途中の行動を分けて見る

ホームページでは、最終的な成果だけではなく、その前段階の行動も確認すると状況を理解しやすくなります。

たとえば、主要な成果を「問い合わせ送信」とした場合でも、問い合わせページへの移動、電話番号のタップ、資料のダウンロード、事例ページの閲覧などは、見込み客が検討を進めていることを知る手掛かりになります。

ただし、すべての行動を同じ重さで扱うと判断しにくくなります。

問い合わせ送信と事例閲覧を同じ1件として合計してしまえば、数字は増えても、実際の商談が増えているか分からなくなります。

そのため、

事業に直接つながる主要な行動

と、

そこへ向かう途中の行動

を分けて見ると整理しやすくなります。

中小企業のサイトであれば、最初から多くの指標を設定する必要はありません。

まず一つか二つの主要な成果を決め、その前段階で確認したい行動をいくつか見る程度でも、十分に改善の判断材料になります。

コンバージョン率だけでホームページを評価しない

コンバージョン率が高ければ、必ず成果が出ているとは限りません。

たとえば問い合わせが10件あっても、営業目的の連絡や自社では対応できない相談ばかりであれば、事業への貢献は限定的です。

一方、月に数件でも、自社が求めている顧客から継続取引につながる相談が届いているなら、その価値は大きくなります。

特にBtoB企業では、一件の問い合わせが大きな商談につながることもあります。

そのためコンバージョン率と合わせて、

「どのような問い合わせだったか」 「商談につながったか」 「受注につながったか」

まで確認すると、ホームページの役割をより正確に判断できます。

アクセスの内容によっても率は変わります。

社名を検索して訪れた人は、すでに会社を知っている可能性が高いため、相談へ進みやすいかもしれません。

一方、ブログ記事から初めて会社を知った人は、その場ですぐ問い合わせをしなくても不自然ではありません。

コンバージョン率は、サイトの成績を一つの数字で決めるものではなく、見込み客の行動を理解するための手掛かりとして使うほうが実務的です。

GA4では重要な行動をキーイベントとして確認する

GA4では、フォーム送信や資料請求など、事業上重要な行動を「キーイベント」として設定できます。

セッションを基準に見る場合は「セッション キーイベント率」、ユーザーを基準に見る場合は「ユーザー キーイベント率」などを確認できます。

ここでも大切なのは、表示されている数字だけを見ることではありません。

たとえばフォーム送信をキーイベントとして設定していても、テスト送信やスパムまで含まれていれば、実際の問い合わせ件数とは一致しないことがあります。

逆に、電話での問い合わせが多い会社では、フォーム送信だけを計測してもホームページの成果を十分に捉えられません。

GA4上でどのように確認するかについては、GA4のコンバージョンの見方を中小企業向けに整理した実務的な確認手順で詳しく整理しています。

アクセス解析では、画面上の数値と実際の問い合わせや営業活動を照らし合わせることが大切です。

数字を見る前に、計測が正しいかを確認する

コンバージョン率が急に上がったり下がったりしたとき、すぐにホームページの内容が原因だと判断しないほうがよい場合があります。

まず確認したいのは、計測が正しく動いているかです。

フォームを変更した、GA4の設定を変更した、Cookie同意の仕組みを導入した、URL構成を変えたといったタイミングでは、数字の取り方そのものが変わることがあります。

問い合わせ件数は以前と変わらないのにGA4上だけ急増しているなら、同じ送信が複数回計測されている可能性もあります。

反対に、実際には問い合わせが来ているのにキーイベントが記録されていなければ、計測設定を確認する必要があります。

数字を改善する前に、

「その数字を信用してよい状態か」

を確認することが土台になります。

平均値より、まず自社の変化を見る

「コンバージョン率は何%なら良いのか」と気になるかもしれません。

しかし、適正なコンバージョン率に、すべての会社へ共通する一つの正解はありません。

商品やサービスの単価、検討期間、アクセスの流入元、問い合わせの定義、広告の有無によって数字は変わります。

ECサイトと、数百万円の法人向けサービスでは、同じ基準で比較できません。

業界平均は参考になりますが、それだけで自社の状態を判断しないほうが安全です。

まず見たいのは、自社の変化です。

先月や前年同月と比べて、

アクセスの内容が変わったのか、問い合わせ件数が変わったのか、それとも率だけが変わったのか。

数字が動いた背景も合わせて記録すると、次の判断がしやすくなります。

特にアクセス数が少ないサイトでは、一件の問い合わせだけでも率が大きく変わることがあります。

その場合は、一か月だけで判断せず、数か月の流れを見るほうが現実的です。

コンバージョン率が動いたら「どこで変わったか」を見る

コンバージョン率が下がったからといって、すぐに問い合わせフォームを作り直す必要はありません。

まず、

「人が来ていないのか」 「来ている人が変わったのか」 「サービスページまでは読まれているのか」 「問い合わせページまで進んでいるのか」 「フォームで離れているのか」

というように、どこで変化しているのかを分けて考えます。

たとえば検索からのアクセス自体が減っているなら、フォームを変更しても解決しません。

サービスページへのアクセスはあるのに問い合わせページへ進まないなら、サービス内容や相談導線を確認する余地があります。

問い合わせページまで来ているのに送信されない場合は、フォームの入力項目や使いやすさを確認します。

フォーム周辺の改善については、フォーム離脱を改善するには?実務で見直したい7つの視点も参考になります。

また、ホームページ全体の相談までの流れを見直したい場合は、問い合わせが増える導線改善施策集10選のように、流入ページからフォームまでを一続きで見ると判断しやすくなります。

コンバージョン率は改善の手掛かりとして使う

コンバージョン率を見る目的は、数字そのものを高くすることではありません。

ホームページを見た人が、必要な情報を得て、自分に合う会社かを判断し、相談したいときに迷わず行動できているかを確認するために使います。

率が低いからといって、すぐに大きなリニューアルが必要とは限りません。

サービス説明を少し分かりやすくする。事例を追加する。問い合わせへの案内文を見直す。入力項目を一つ減らす。

このような小さな改善でも、見込み客が判断しやすくなることがあります。

+STOCKでは、ホームページを「守る、整う、育つ」の順番で考えています。

まず計測やフォームが正常に動いている状態を守り、次に数字と実際の問い合わせを見ながら課題を整え、そのうえで必要な改善を少しずつ積み重ねます。

コンバージョン率はホームページの成績表ではありません。

「どこを見直せば、見込み客にとって分かりやすく、会社にとっても良い相談につながるのか」を考えるための指標です。

問い合わせ件数だけに追われず、その先の商談や受注まで含めて見ることで、コンバージョン率をホームページ改善の判断材料として活用しやすくなります。

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有限会社イーデザインショップ代表。グラフィックデザイナーとして1995年に創業し、30年以上にわたりデザインとWebの仕事に携わっています。現在は、法人向けのWordPress制作・保守、Webサイトの分析・改善を中心に、ホームページを長く活用できる経営資産へ育てる支援を行っています。会社まで往復9kmを歩くのが日課の、4児の父です。

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