Q69:給料体系の設計について、意見をお聞かせください!
はじめまして、私はある企業の代表を務めています。現在、マーケティング支援事業を展開しているのですが、大規模なプロジェクトに複数関わる中で、営業活動に手が回らないという状況にあります。そのため、インターンシップ、業務委託、契約社員、正社員といったさまざまな形態で、営業に強い人材を採用したいと考えています。
創業からまだ日が浅い中で、給与体系の設計が整っていないのが現状です。成果報酬はしっかりとお渡ししたいと思っている一方で、基本給をあまりにも低く設定すると応募者が敬遠してしまうという、以前エージェント時代の経験から来る不安も感じています。さらに、社会保険の負担なども踏まえると、なかなか頭を悩ませる部分です。
どのようなアプローチで給与体系を構築されていますか?専門の社労士さんなどの力を借りるのが一般的なのでしょうか?ぜひ、知見や実践例を教えていただけると助かります。
(ハナサキ|広告業|従業員5名以下|東京都)
#100投稿チャレンジ #69/100
A69:回答
給与テーブルを作成する前に、ざっくりとした目安を持っておくとスムーズです。まずは日本人の平均年収420万円を基準に考えてみましょう(これより低い設定では採用が難しくなる可能性があります)。
【給与モデル例】
- 給与:¥3,600,000
- 賞与:¥600,000
- 社会保険料:¥650,000
- 福利厚生費:¥150,000
- 年間合計:約 ¥5,000,000
また、一般的に企業の労働分配率は50%が目安です。
この基準に沿って考えると、1人を採用するためには年間で最低でも1,000万円(約80万円/月)の粗利が必要という計算になります。
つまり、採用戦略を安全に進めるためには、社員1人あたりの年間労働生産性を1,000万円(月間80万円)程度と見込んで計画を立てることが推奨されます。
これをベースに、労働分配率の調整や基本給とインセンティブの割合など、具体的な給与テーブルを設計すると失敗が少なくなります。
コメント1:
アドバイスいただきありがとうございます!
労働分配率という視点から組み立てる方法があるとは思ってもみませんでした。とても参考になります。
ご提案いただいたモデルをもとに、一度自社の状況に当てはめてシミュレーションしてみたいと思います!
返信1:
人に関する問題はコントロールが難しく、予想外のことも起こりがちです。ですので、一人会社でまずは年間粗利2,000万円を超えるあたりまで一人でやり切り、その後に一人増員する。そんな堅実なステップを踏む方が、失敗は少なく済みます。
人を増やせば売上は上がるかもしれませんが、大切なのは「利益」です。実際のところ、人を増やしても利益が思うように増えないケースは少なくありません。だからこそ、人を増やす前に「利益を生む再現性のあるエンジン(仕組み)」を先に作っておくことがポイントになります。
また、人を動かすにはインセンティブが有効ですが、単に売上に対して報酬を与えるだけでは、短期的な成果に偏りがちで利益の積み上げが難しくなります。例えば、獲得後3ヶ月・6ヶ月の顧客のリピート率や継続率など、中期の成果に応じてインセンティブを分割して支給する。そんな設計にすることで、より安定した利益につながるでしょう。
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