Q65:社会人2年目の息子の転職観、3年ルールはもう古い?

いつもためになるアドバイスをありがとうございます。今日は私のことではなく、息子の話についてご相談させてください。

社会人2年目の息子(もうすぐ3年目)がいるのですが、彼曰く「今は入社して3年未満でもどんどん転職するのが当たり前の時代」だそうです。私は、「せっかく入社した会社なら最低でも3年は続けないと、次の転職で不利になる。一つの職場で長く勤めるのが理想だ」と伝えたのですが、息子からは「オヤジ、考えが古いよ」と一蹴されてしまいました。さらに妻も「今は昔と違うのよ」と息子の意見に賛成していて、どうにも釈然としません。

実際のところ、今の転職事情はどのように変化しているのでしょうか?採用する側の本音としては、やはり短期間での転職が多い人は不利になるのでしょうか?それとも、スキルや経験があれば問題ないのでしょうか?経営者の立場で率直なご意見をお聞かせいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

(ビッグダディ|職別工事業(設備工事業を除く)|従業員6〜10名|京都府)

A65:回答

非常に現代的でリアルな悩みですよね。お気持ちよくわかります。

まず結論から申し上げますと、現在の若手社会人(とくに20代~30代前半)の転職事情は、以前とはかなり様変わりしています。昔のように「まずは3年頑張れ」「一つの会社に長く勤めることが美徳」といった考え方は、最近では絶対的な常識ではなくなりつつあります。

最近の転職事情

現在は入社後1~2年で転職するケースも珍しくなくなってきました。特に若い世代は、「自分が成長できるかどうか」「仕事にやりがいや目的を感じられるか」といった、自身の人生やキャリア形成を中心に考える傾向が強くなっています。

とくにIT業界やスタートアップ企業では、短期間で複数社を経験し、多様な経験やスキルを身につけることが逆に評価される傾向さえあります。転職市場全体も流動性が高くなっており、「3年以内で転職=忍耐力がない」という評価は必ずしも当てはまりません。

採用する経営者の本音

では、実際に採用する経営者や採用担当者の本音はどうでしょうか。ここが最も気になるポイントかと思います。

経営者や人事の方々は、「何年勤めたか」よりも、「転職理由の納得感」「次の会社で何をしたいのか」「自社で貢献できるのか」を重視します。特に若手採用の場合、長く在籍したことだけを評価基準にするのではなく、「その人が成長意欲を持って仕事に取り組み、価値を生み出してくれるかどうか」を見ています。

採用担当者の立場から言うと、短期間で転職した場合は当然理由を聞きますが、それがしっかりと説明できれば、決してマイナス評価にはなりません。逆に「3年我慢して特に成長がない」人よりも、「1~2年で明確な目的を持って次のチャレンジをする」人の方が評価されることさえあります。

ただ、短期間で転職を繰り返すことがあまりにも多いと、「飽きっぽいのでは?」「またすぐ辞めるのでは?」という警戒感が生まれます。ですから、転職する場合は、その理由や動機に明確さや説得力が必要なのも事実です。

現実的なアドバイス

とはいえ、息子さんに対して親御さんが「最低でも3年」と勧めるお気持ちもよく理解できます。これは「最低でも数年頑張らないと、本当の仕事の面白さや深みがわからない」という経験則に基づいた貴重なアドバイスだと思います。

そこで息子さんに伝えるとすれば、「転職自体は悪いことではないが、転職の理由が重要だ」ということです。単に嫌だから辞めるのではなく、「次に何がしたいか」「将来のキャリアにどうつながるか」という目的意識がはっきりしているかどうかがポイントになります。

まとめると…

  • 以前の「3年勤めるべき」は絶対ではない。
  • 経営者は「なぜ転職したいか」「次に何がしたいか」を重視する。
  • 若いうちの積極的な転職は、本人の成長意欲や目的が明確ならむしろプラス評価。
  • ただし、短期間の転職が多すぎるとマイナス評価に繋がる可能性もある。

息子さんとお話をされる際には、こうしたバランス感覚でアドバイスされると良いかもしれませんね。

参考になれば幸いです。

コメント1:

貴重なご意見をいただき、さらに懇切丁寧なアドバイスまで賜り、心より感謝申し上げます。

息子自身、今すぐ転職を考えているわけではないようです。ただ、息子やその友人たちの会話の中に「仕事を変えること」に対する安直な考えが見え隠れしており、そこに違和感や危機感を覚えたため、皆様のご意見を伺いたいと思いました。

確かに、今の時代では3年以内の転職も珍しくはないのでしょう。しかし、私の個人的な感覚や経験からすると、たった3年程度でどこでも通用するようなスキルを身につけるのは難しいように思えます。世間の「転職が当たり前」という風潮に踊らされているだけではないか、と感じる部分もあります。

もし短期間で他人を圧倒するほどのスキルを身につけるのであれば、24時間寝食を忘れて没頭するくらいの覚悟と努力が必要でしょう。でも、そうした大志と計画を持ち、本当に行動できる若者は限られているはずです。だからこそ、多くの人にとっては、一つの職場で腰を据えてじっくりスキルを磨くほうが、結果的には得策なのではないかと、凡人である私自身は考えてしまいます。

返信1:

よくわかります。私たちお父さん世代の「一つの会社で頑張る」という価値観は、高度経済成長期の「終身雇用制度」という前提があったからこそ成立していました。

でも、今はもうその前提が大きく崩れてしまっています。終身雇用はとっくになくなり、大手企業ですら早期退職を推奨する時代。さらに、会社がなくなってしまったり、テクノロジーの進化で職業そのものがなくなってしまったり、どんどん変化しているのが今の時代です。

こういう時代においては、「一つの会社に人生を賭けること自体がリスク」という考え方も、今の若い世代にとっては現実的なものになっています。つまり、私たち親世代と子ども世代とでは、時代の背景も違えば、会社における価値観も違う、人を育てる余裕のある会社も減っているという厳しい現実があります。生存戦略として多様性が重要になっているんですね。

もちろん、ただの「転職を繰り返す人」になってしまうと、逆に信用を失ったり、自分の道を見失ってしまったりするから、「転職ありき」ではなく、「どう生きるか」という視点が大事です。

息子さんがこの点をしっかり考えているなら、たとえ転職を選んでも、それは決して安直なものではなく、戦略的なキャリアの選択になるんじゃないかな。今は、思いとどまり現職に全力を尽くしてあるということで、やはり、堅実でしっかりした判断力をお持ちの立派な大人の息子さんなのだと感じます。

お互いにいくつになっても子どもの心配は尽きないものですね。

返信2:

まったくその通りですね。いくつになっても、親にとっては子どもはずっと子どものままで…。少しでも間違いのない安全な道を歩いていってほしいと願ってしまうものなんですよね。

いろんな視点からのアドバイス、本当にありがとうございました。心から感謝しています。

コメント2:

こちらこそ、あたたかいお言葉をありがとうございます。

やっぱり親って、どれだけ歳を重ねても「見守る役目」は変わらないんだなぁと、あらためて実感します。

ついつい先回りして口を出したくなるのも、「願い」や「想い」があるからこそ。

でも、見守りつつ、信じて任せるバランスって本当に難しいなと私も日々感じています。

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