経営計画書をA3一枚にまとめてPDCAを今すぐ回す10の手順
コロナ禍以降、時代が大きく変わった今、その環境の変化の対応に何から手をつけるべきかわからず、モヤモヤしていませんか?
この記事を読むことで、あなたの3〜5年後の未来や、今すぐ取り組むべきことをスッキリまとめる方法がわかります。
どうしようか悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
こんにちは、E DESIGN SHOP(有限会社イーデザインショップ)の諸藤です。じつは私自身、一人親方で約30年ほど事業を行なっていて、今までに経験したことがない打撃をコロナ禍に受けました。さまざまな苦難が押し寄せて、当時まさに何から手をつけたらいいのか頭の整理をしなきゃという状況でした。
今回は私が過去にピンチを切り抜けてきたときの考え方の視点を振り返り、小規模事業者向けの経営計画書のつくり方のポイントについてお伝えします。ズバリ結論から言うとうまくピンチを切り抜けるポイントは「経営計画書はA3一枚に簡潔にまとめて週単位でPDCAを回すこと」です。
A3一枚で作成できる経営計画書フォーマット
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目次
経営計画書とは何か?
経営計画とは経営目標を達成するための計画のことです。経営に関わる人たちが、社長の考えを理解して適切に行動するために共有する計画書です。
経営計画書はなぜ必要なの?
例えば、あなたが旅をするときのことを想像してみてください。地図で下調べをして、コンパスを手に取ってあるいはナビをセットして、旅をスタートしますよね?
もしあなたが、地図もコンパスも持たずに旅をしようとするなら、目的地に決められた時間に到達することは難しいでしょう。自由気ままな旅であれば、それも楽しみの1つかもしれませんが、決められた時間に到着しなくてはならない仕事の出張のような目的のある旅には、事前の準備が必要です。
経営計画は、あなたがこれから経営の旅に出て、迷子にならないために事前に準備する必要があるのです。
なぜ、A3一枚がいいの?
なんでこういうことを言うかというと、私たちのような小規模事業者は、日常からありとあらゆる業務を現場の最前線でこなさなくてはならなくて、経営計画書のような考える作業になかなか時間を割くことができません。
しかし、計画がないとチェックも改善もできないし、いったい自分はどこに向かっていて、あとどれくらいがんばらないといけないのか、迷子になってしまいます。なので、完璧な計画を立てることよりも、サクッと A3で簡潔につくって迷子にならないようにPDCAを回すことのほうが大切なんです。
例えば、まったく知らない土地で地図もコンパスも持たないで目的地にたどり着くのはとっても難しいですよね?大切な相手と待ち合わせ時間なんて約束していたら、もう大変なわけです。
経営計画書もこれとまったく一緒です。経営計画書は地図とコンパスと同じなんですね。なので今回、A3一枚に簡潔にまとめてPDCAを回す経営計画書のつくり方を心がけてみてください。
では、今回は小規模事業者向けに経営計画書のつくり方のポイントということで、完璧な計画よりも「A3一枚に簡潔にまとめてPDCAを回すこと」が大事なんだよ?ということについてお伝えしていますが、具体的に何を実践したらいいのか、早速、見ていきましょう。
経営計画書を立てるメリット
なぜ経営計画書を立てるのかそのメリットについて、
- 社長自らが自分の考えをはっきりとすることができる。
- 経営計画書の作成に各部門及び社員を巻き込むことで社長の新たな気づきが生まれる。
- 社員全員で経営目標の達成に一丸となれる。
このほかにも、金融機関や投資家など資金面での支援や会社へのアドバイスが受けやすくなるというメリットがあります。
経営計画書はコンパクトにまとめる
私がおすすめする経営計画書の書き方はA3の用紙1枚にまとめる方法です。とくに中小企業の経営計画書は何10ページもの立派なものよりもA3用紙1枚にコンパクトにまとめ、いつでも社内共有できるようにしておきましょう。経営計画書をコンパクトにまとめることは、経営計画の見える化にもつながり、社員への浸透、定着を図る上でもとても有効な方法です。
経営計画書をもとにPDCAを回す
良い計画書というのは抽象的な作文ではなくて、具体的にいつまでに何をすればいいのか、どのレベルまでを求められているのか具体的に記載されているものです。そして毎月しっかりと進捗管理できるようにチェック欄があり、目標と現在とどれだけギャップがあるのか検証できるようになっていることです。この結果を受けてどのように改善を行っていくべきかを検討します。
目標と実績のブレを縮める
組織全体のミーティングは小さな会社であれば週に1度は行いたいものです。小さな会社は機動力こそ武器ですから、月に1度くらいしか全体ミーティングができない大きな会社よりも細かくPDCAを回し未達の目標を達成へと導けるように工夫していきます。
実行する10の手順
- 経営計画の意義を考える
- 経営理念とビジョンを明文化する
- 現状を分析する
- 目標を立てる
- 方針を決める
- 具体的施策を検討する
- 年間計画を立てる
- 計画に従って実行する
- 目標と実績のギャップを測る
- 改善する
1.経営計画の意義を考える
経営は社長1人ではできません。社長と社員が一体となって初めて事業は成り立ちます。また目的地がハッキリしないと社員は動けません。社員が動くには、はっきりとした目標と具体的な施策が必要です。現在の立ち位置と目標までのギャップを図り、その目標と実績のギャップをどのようにして埋めていくのか考えることが施策の立て方になります。
経営計画の意義は、今期社長がどのような思いで経営に取り組み、社員や関係者のみなさんにどんな協力を求めるのか、その結果どんな未来が開けるのか、熱く簡潔にまとめます。
2.経営理念とビジョンを明文化する
経営のあり方は、創業者の思いとそれを受け継ぐ経営者の心によって決まります。経営のあり方を社長が明文化する事は、経営のあり方を社員に伝える上でとても大切なことです。経営のあり方を指し示すことは社長にしかできない仕事の1つです。
経営のやり方は、社長の指し示す経営のあり方を実現するためにはどうしたらいいか、それぞれの分野のエキスパートである社員が与えられた部門ごとに考えます。
経営のあり方は、創業からいつの時代もぶれることなく変わらないものです。一方経営のやり方は、その時代に合わせて機敏に変えていかねばなりません。
長く続く経営は、時が経っても風化することのない強い心と、時代に合わせて臨機応変していく技の極みが一体となって実現します。時代に合わせると言う事はつまり、その時代のお客様の心に技を寄りそわせることです。
経営理念
経営理念の書き方に、決まったルールはありません。ただ、一度決めたらコロコロ変えるようなものでもありません。これから先の未来に一貫してブレることなく軸になる、風化しない創業の思いの核をありのままに素直に表現します。
経営ビジョン
誰もが将来をイメージできるように過去・現在・未来につながるストーリーを描きます。同時に、長期事業構想を数値でも表し、数値からもストーリーが読み解けるような一貫性のある事業構想にまとめます。
- When(5年後)
- Where(想定する市場・商圏)
- Who(誰に)
- What(商品・サービスの具体的な内容)
- How(どんな技術・ノウハウ・スキルを活かすか?)
- How much(5年で倍増するには?)
- Positioning(どんなポジションをとるか?)
3.現状を分析する
外部環境分析
- 市場、顧客、競合における環境の変化
- 機会(チャンス)
- 脅威(ピンチ)
内部環境分析
- 強み(長所)
- 弱み(課題)
商品・サービス
- お客様にとっての価値(意味づけ)
- 価格(ポジション)
- 品揃え(コア商品に対する周辺商品)
ビジネスモデル
- 販売プロセス
- 生産プロセス
- 商品・サービスが届くまでのプロセス
- 代金回収の仕組み
- 利益を生み出す仕組み
主要取引先
- 既存顧客(具体的にどのお客様に支えられているか)
- 販売チャネルなど(依存度の高いチャネルはないか)
選ばれる理由
- なぜ数ある会社・製品の中で、わざわざ自社製品でなくてはならないのか?
- Customer Value(顧客にとっての価値)
- Cost to the Customer(顧客の経済的負担)
- Convenience(利便性)
- Communication(コミュニケーション)
前々期・前期の成果と反省
計画通りあるいは計画以上の実績だった場合には、その成果の根源について。逆に計画以下だった場合にはその原因と課題、反省について。
4.目標を立てる
単に数値目標を掲げるだけでなく、目標達成する方法を誰にでもわかるように具体的に示すことが大切です。
当期の目標設定
- 今期はどこで稼ぐのか?なにで稼ぐのか?
- When(締め切り)
- Where(攻略する市場)
- What(商品・サービスの具体的な内容)
- How much(具体的な利益目標)
長期事業構想
5年後に2倍になるストーリーを描きます。5年後から逆算して、通過点の3年後はどうあるべきか。その3ヶ年計画の1年目、2年目はどのように動いていくのか。既存事業を軸に、目標に届かない年の不足する売上・利益は新規事業を検討する時期となります(新規事業はむやみやたらに立ち上げない)。小規模な会社ほど多くの事業を同時に走らせることは困難なため、なるべく事業は絞り込み、組織の成長を考慮した上での事業拡張を目指します。数値を決めることで、一貫した成長の流れを具体的なシナリオに落とし込みやすくなります。
5.経営方針の決定
改善ポイントを絞る
現状と目標のギャップから、課題をすべて洗い出します。今後3〜5年でどこまでいくのか?そのために1年目にはまずなにを改善するのか、小さな力で成果が上がりやすいボトルネックとなっている課題を見つけ、その改善に焦点を絞ります。
6.具体的施策を検討する
全社的な取り組み
- 全社で組織的に動く取り組み
販路開拓(人)
- 人的接点(直販、間接販売)
- 販売チャネル(販売経路)
- リモート
- イベント
- 人財育成等
- 商品改善(物)
商品(サービス)の改善
- 新製品(サービス)の投入
- 既存事業の改善
- 新規事業の立ち上げ
資金繰り(金)
- 売掛金の回収
- 金融機関からの融資
- 投資家からの調達(小規模事業では現実的でない場合も多い)
- 親族などからの個人的な借入
- 支払サイクルの交渉
広告宣伝(情報)
- 情報接点(オンライン、オフライン)
- Web
- SNS
- 広告
- その他プロモーション(認知促進)
7.年間計画を立てる
責任者を決める
- 最終責任は社長一人にある(経済的責任を負う)
- 実行責任は社員一人ひとりにある(行動する責任を負う)
- 実行リーダーを決める(チーム一丸となって動く)
期限を決める
- いつまでに、誰が、何を実行するのか?
基準を決める
- 目標、中間目標、プロセス、レベルをすり合わせる
8.計画に従って実行する
責任者に権限を委譲する
- あり方は会社が決めるが、やり方は現場に任せる
チームでより詳細な計画を立て実行する
- 現場レベルで担当者ひとり一人の目標や業務を決定し、精緻化する
- ひとり一人の自己実現につながるようにサポートする
個人は日報でチェック
- 社員は自己管理のために日報を利用する
チームは週次でチェック
- チームは週単位で成果を出し合い、目標と実績の距離感を共有する
全体は月次でチェック
- チームの集合体としての会社全体では、月次で目標と実績のギャップを共有し、改善策を図る
計画は半期でチェック
- 年度計画は必ず中間でチェックする(場合によっては、方針を転換する)
社長は責任者およびリーダーの相談にのる
- 社長は指示を出すだけでなく、日々、担当責任者の心と技のケアを行う
9.目標と実績のギャップを測る
計画は立てるだけでもダメ、実行するだけでもダメ。計画を立てて実行したら必ず、数値で計測し当初の目標とのギャップを見える化することです。目標と現実の距離感が具体的にわかれば、立てるべき対策や道筋も見えてきます。アイディアが出しやすくなり、ミーティングもしやすくなります。
10.改善する
目標と現実の差を埋める改善策ができたら、すぐに実行に移しましょう。そしてまた数値を測り、検証し、さらなる改善策を練って、実行に移し、というふうにPDCAサイクルを日々回し続けます。
まとめ
「考えるよりまず行動」「一生懸命がんばれば数字は後からついてくる」という言葉をよく聞きます。これは「現場」の言葉です。経営も現場が命ですが、経営者がノープランで現場に出ることは、冒頭にお話しした「地図とコンパス」を持たずに冒険の旅に出るようなものです。
社員の立場になって考えてみる。お客様の立場になって考えてみる。家族の立場になって考えてみる。銀行の立場になって考えてみる。応援してくださる様々な関係者の立場になって考えてみる。すると「地図とコンパス」を持った経営者の船に乗りたいと思いますよね?
私もきちんとした経営計画書をつくろうとして毎年、何度も挫折を繰り返してきました。結論としては、中小・小規模事業に立派な経営計画書はいらない、A3一枚で大丈夫ということでした。
フォーマットがあれば便利
経営計画書のつくり方には、決まったルールがありません。なので、何から手をつけたらいいのかわからなくなることが多いのではないでしょうか?
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