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AIを使ったサイト改善点の見つけ方|人が確認すべき7つの判断基準

2026.09.21

AIにホームページを見てもらうと、「記事を増やす」「問い合わせボタンを目立たせる」「ページを短くする」といった改善案が次々に出てきます。候補が増えても、自社で何を採用すればよいか決められなければ、サイトは変わりません。AIを使ったサイト改善点の見つけ方では、候補を出す工程と、実行する案を選ぶ工程を分けることが大切です。

問い合わせが少ないときも、アクセスを増やせば解決するとは限りません。会社の強みが伝わらない、相談方法が分かりにくい、情報が古い、フォームが正常に動いていないなど、複数の原因が考えられます。AIには見落としや比較案の整理を手伝ってもらい、人がデータ、営業現場の声、実際の画面、運用体制を照らし合わせて判断します。

この記事では、中小企業のWeb担当者や経営者が、AIの提案を「採用・保留・見送り」に分けるための7つの判断基準を紹介します。AIを業務へ取り入れる全体像は中小企業の生成AI活用で扱い、ここではサイト改善案の選び方を具体化します。

AIに改善案を求める前に、目的と確認範囲をそろえる

最初に、「法人からの相談を増やしたい」「採用候補者の不安を減らしたい」「既存顧客の手続きや問い合わせを減らしたい」など、サイトが担う役割を一つ選びます。目的が異なれば、直すべきページも、良くなったと判断する指標も変わります。

AIへ渡すのは、対象ページの内容、自社の対象顧客と提供範囲、期間をそろえた検索・アクセスの集計、営業で繰り返し聞かれる質問です。URLだけを渡した場合は、AIが実際にページを読めたかを確かめます。管理画面、フォーム送信後の挙動、会員限定ページなどを確認できていないのに、サイト全体を調査した前提で話を進めないようにします。

顧客名、連絡先、問い合わせ原文、認証情報、未加工のログはそのまま渡さず、社内ルールに沿って必要な範囲へ整理します。入力する情報の判断は生成AIの社内利用ガイドラインも参考になります。

依頼するときは、「確認できた事実と仮説を分け、対象ページ、改善案、根拠、不足している情報、想定される副作用を示してください。未確認の数値や成果は補わないでください」と伝えると、提案を検討しやすくなります。出てきた一覧を、そのまま実施指示にはしません。

1. 事業の目的と、来てほしい顧客に合っているか

AIの提案例:「検索流入を増やすため、無料テンプレートの記事を大量に追加しましょう」

人が確かめたいのは、アクセスの先にどのような相談や行動を期待するのかです。法人の継続的な保守相談を増やしたい会社であれば、無料素材を探す人が増えても、主力サービスの検討につながるとは限りません。読者の困りごとと、自社が長く提供したい価値の接点を説明できるかを見ます。

Search Consoleの検索語には、見込み客の疑問を知る手掛かりがあります。専門的な商品名よりも、用途や困りごとで探されているなら、「どんな場面で使うか」「選ぶときに何を確認するか」を補う案が考えられます。ただし、表示回数が多いという理由だけで、対応できない地域や業務まで広げる必要はありません。

営業担当者が何度も説明している内容も有力な材料です。対象外の問い合わせが多いなら、集客量を増やす前に、サービス対象、対応条件、費用の考え方を分かりやすくする改善が役立つ場合があります。

採否の例:主力サービスの検討に必要なFAQ追加は採用候補。検索数は多くても対象顧客との接点を説明できない大量の記事追加は見送ります。つながりがありそうでも根拠が足りない場合は、問い合わせ内容を確かめるまで保留にします。

2. 判断の根拠となるデータがそろっているか

AIの提案例:「この記事はクリックが少なく、閲覧時間も短いため、すぐに全面リライトしましょう」

まず、公開日、対象期間、件数、比較条件を確認します。公開から日が浅い記事や、閲覧が数件しかないページでは、少数の利用だけで評価が大きく変わります。前年や前月との差にも、季節性、広告、営業活動、計測設定の変更が含まれることがあります。AIの説明が、確認した事実なのか推測なのかを分けて読みます。

検索からの訪問を評価する場合は、狙いキーワードから対応記事URLを確認し、GSCのページ別・クエリ別実績と、GA4のランディングページ実績を結び付けます。GSCのクリック数とGA4のセッション数は別の指標です。また、途中で読まれたページを含む閲覧数と、そのページから始まった訪問数も同じではありません。GoogleもSearch ConsoleとGoogle Analyticsのデータを併用する際の違いを説明しています。

表示回数が多くクリックが少ない場合は、CTRだけでなく順位や実際のクエリを見ます。順位が低いのか、タイトルと検索意図がずれているのかで、次の行動は変わります。URLが異なるときは、リダイレクトや正規URLの関係を確認してから比較します。

閲覧時間が短い場合も、電話番号や営業時間をすぐ確認できた可能性があります。ページ別の集計だけでは、特定の検索語から来た人が問い合わせたとまでは言えません。回遊を確認するには経路のデータが必要で、資料にない行動をAIに補わせないことが大切です。

採否の例:公開直後でデータが少ない記事の全面リライトは保留。次に確認する期間と必要なデータを残します。一方、料金の誤記やリンク切れなど、画面上で確認できた不具合は、アクセスの蓄積を待たずに修正できます。

3. 見込み客の疑問や、操作の迷いを減らせるか

AIの提案例:「問い合わせを増やすため、すべての見出しの下に大きなボタンを置きましょう」

ボタンの数を増やす前に、実際の入口ページから相談までをたどります。検索からは、トップページだけでなくサービス紹介、商品詳細、事例、記事へ直接入ることがあります。スマートフォンでも開き、「自社の相談は対象か」「費用はどう考えればよいか」「相談後に何が起きるか」が分かるかを確かめます。

サービスを読んでも依頼の条件が分からないなら、ボタンを増やすだけでは迷いは解消しません。相談できる内容、対応の流れ、必要な準備、返信の目安を、実際の運用に合わせて示します。電話、フォーム、資料請求を並べる場合も、どんなときにどの窓口を使うかが分かる案内が必要です。

フォームの項目削減も同じです。初回相談では不要な情報を必須にしていないか確認する一方、依頼内容まで削ると、受け取った後の確認が増えることがあります。利用者の入力負担と、社内の対応に必要な情報の両方を見ます。

採否の例:料金説明の直後に、対象となる相談を明記したリンクを置く案は採用候補。読書や操作を遮る一律のボタン追加は、必要性が確認できなければ見送ります。フォーム項目は、問い合わせ対応の担当者と確認してから変更します。

4. 自社の事実やブランド、顧客との約束に合うか

AIの提案例:「強みを際立たせるため、『業界最安・必ず解決・24時間有人対応』と書きましょう」

読みやすい文章でも、提供していない対応や保証が含まれていれば採用できません。サービス範囲、価格、実績、対応地域、連絡方法を、実際の契約や運用と照合します。「自動監視が動いていること」「人が日々確認すること」「夜間もすぐ個別対応すること」は、それぞれ別の約束です。

反対に、「高品質」「丁寧な対応」だけでは、会社の専門性が伝わりにくいこともあります。誰のどんな課題に、どのような工程で対応するのかを具体化します。営業資料の分かりやすい説明、実際の作業例、顧客から多い質問を使えば、根拠のない強調に頼らずに特徴を伝えられます。

文章量を増やすこと自体が改善ではありません。代表者の考え、技術、実績が別々に置かれているなら、要点をつなげることが先です。Web、パンフレット、提案書、展示会資料で説明が食い違っていないかも確認します。古いお知らせや終了したキャンペーン、誤った営業時間など、信用を損ねる情報の修正も優先します。

採否の例:実施している日々の監査や確認工程を具体的に説明する案は採用。裏付けのない最上級表現や成果保証は見送り、事実に基づく表現へ作り直します。

5. 技術やセキュリティへの影響を確認できるか

AIの提案例:「表示を速くするため、このプラグインを止め、不要そうなスクリプトを削除しましょう」

画面では不要に見えても、フォーム、決済、会員機能、計測、迷惑送信対策などに使われていることがあります。AIがコードや設定の変更を提案しても、そのサイトの構成や依存関係まで確認できているとは限りません。何に使われている機能か、どこへ影響するかを担当者が調べてから判断します。

WordPress本体、テーマ、プラグインの更新も、適用だけで完了するものではありません。独自のカスタマイズとの相性や、更新後の表示・機能の確認が必要です。作業前のバックアップ、検証する場所、確認項目、問題が起きた場合の復旧方法まで決めます。管理者権限、保守の記録、復旧を担当する人が分からない場合は、その整理も先に必要です。

リンク切れ、スマートフォンで操作できないフォーム、証明書の警告などは、集客にも関わる問題です。改ざんや情報漏えいが疑われる場合は、通常の改善案の比較をいったん止め、状況の記録と専門的な確認へ切り替えます。

採否の例:影響範囲が不明なプラグイン停止は保留。機能との関係を調べ、検証と復旧の手順が整ってから実施を判断します。技術面を自社で確かめにくい場合は、WordPress保守(Web/EC)の担当者と確認項目を整理できます。

6. 期待する効果に、費用と運用の負担が見合うか

AIの提案例:「問い合わせを増やすには、全面リニューアルと毎日の記事追加を同時に進めましょう」

改善候補がそろっても、一度にすべて実施する必要はありません。まず信用を損ねる不具合、問い合わせを妨げる箇所、主力サービスの説明不足などを確認します。全面改修の前に、現在のサイトを活かして小さく改善できないかを考えます。

各案について、期待する影響、実施にかかる時間と費用、社内で準備する情報、公開後の維持作業を書き出します。記事の追加なら、原稿作成だけでなく内容の確認、情報更新、関連記事との重複整理も必要です。兼任の担当者が続けられるか、外部へ任せる範囲はどこかまで見ておきます。

効果を根拠なく金額へ換算したり、AIが付けた優先度の点数だけで決めたりしないことも大切です。電話番号、営業時間、写真、実績、FAQの更新など、今ある情報で進められる案と、計測設定や導線の再設計など専門的な確認が必要な案を分けると、着手しやすくなります。

採否の例:営業で同じ質問が繰り返され、サービスページに答えがないなら、FAQの補強を先に採用。全面改修は、それでは解決できない理由と必要な費用を確かめるまで保留にします。

7. 実施後の確認方法と、必要なら戻す手順を決められるか

AIの提案例:「提案した改善をまとめて実施し、来月アクセスが増えたら成功としましょう」

同時に多くを変えると、どの変更が結果に関係したのか分かりにくくなります。対象ページ、変更内容、実施日、担当者、期待する行動、確認時期を残します。フォームやボタンを変えた場合は、結果の集計を待つ前に、表示・リンク・送信・通知などの動作を確認します。

評価する指標も目的に合わせます。相談導線の改善なら、アクセス総数に加え、確認できる範囲でサービスページから相談ページへの遷移、フォーム完了、相談内容を見ます。計測されていない行動は、先に計測の可否を確認します。GA4で記録するイベントの増加を、そのまま受注の増加とは扱いません。

月に数件の問い合わせでも、どのページを参考にしたか、何に困っていたか、受注しなかった理由を残すと、次の改善に役立ちます。数値が良く見えても対象外の相談や社内の対応負担が増えているなら、説明や導線を見直す必要があります。

採否の例:変更前の内容を控え、担当者と確認項目を決めた小規模な改善は採用候補。効果の判定に必要なデータが集まらなければ観測を続け、短期間で成功・失敗を断定しません。技術的な変更では、不具合が起きたときに誰がどう戻すかも実施前に決めます。

改善案の採否と、次の行動を記録する

7項目を単純に合計して、高得点の案から実施する必要はありません。事実に反する表現や許容できないリスクは、ほかの評価が良くても採用しません。保留は悪い案という意味ではなく、判断材料や実施条件がそろっていない状態です。何がそろえば再検討するかまで記録しておくと、担当者が変わっても判断を引き継げます。

次は記入例です。自社の成果や効果を示す数値ではありません。

AIの改善案 人が確認したこと・判定 次にすること
サービスページに相談条件のFAQを追加する 営業で同じ質問が続き、ページに説明がない。採用。 営業担当者が回答を確認し、公開後の相談内容と対応負担を振り返る。
公開したばかりの記事を全面リライトする 検索・閲覧データが少なく、内容不備の裏付けもない。保留。 公開日と観測期間を記録し、検索クエリとページの利用状況が集まった段階で再確認する。
動作が分からないプラグインを停止する フォームなどへの影響が未確認。保留。 保守担当者が用途と依存関係、検証・復旧の手順を確認する。
提供していない「24時間有人対応」を掲載する 実際のサービスと矛盾する。見送り。 監視、人的確認、個別対応の範囲を正しく説明し直す。

管理表には、この3列に加え、対象URL、根拠資料、担当者、実施日、再確認日を残すと運用しやすくなります。AIには記録の整理を手伝ってもらい、最終的な採否と理由は責任を持つ担当者が確認します。

判断に迷うときは、不足している確認を相談する

AIの案をそのまま外注する前に、「なぜ今それを優先するのか」「どこまで確認できているか」を整理すると、相談も具体的になります。数値の読み方や改善の優先順位に迷う場合はWeb分析レポート/改善、AIや他社の提案を第三者の視点で確かめたい場合はWebセカンドオピニオンが相談先になります。技術的な変更は、保守担当者と安全に実行できる条件を確認します。

まだ課題の場所を絞れていない場合は、無料ホームページ診断で、現在のサイトと運用の状態を整理するところから始められます。保守の引き継ぎが課題なら、管理者、契約、権限、バックアップなど、引き継ぐべき情報を先に確認します。

ホームページは、公開した時点で完成する制作物ではなく、会社の信用を育てるWeb資産です。+STOCKでは、保守の土台を確認し、データと現場の声を整理して、無理のない改善を重ねます。AIから案を多く得ることに加え、何を採用し、なぜ保留したのかを会社に残す。その記録が、次の判断を助けてくれます。

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有限会社イーデザインショップ代表。グラフィックデザイナーとして1995年に創業し、30年以上にわたりデザインとWebの仕事に携わっています。現在は、法人向けのWordPress制作・保守、Webサイトの分析・改善を中心に、ホームページを長く活用できる経営資産へ育てる支援を行っています。会社まで往復9kmを歩くのが日課の、4児の父です。

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