ワードプレスでお困りの方はお気軽に!

生成AIと著作権|企業ブログの文章・画像を公開する前の確認

生成AIで作った文章や画像も、「AIが作ったから自由に使える」とは限りません。他人の著作権を侵害しないか、生成物自体が著作権で保護されるか、利用サービスの規約が何を認めているかを分けて確認する必要があります。

営業資料のたたき台、採用ページの文章、ブログ用の画像。生成AIは企業サイトの更新を助けますが、公開する会社が権利関係と確認の履歴を説明できることが大切です。本記事では、日本の文化庁の資料をもとに、基本的な考え方と文章・画像ごとの公開前確認を整理します。

生成AIと著作権で分けたい3つの論点

他人の著作権を侵害しないか

生成AIの出力を使うときは、既存作品の創作的な表現が共通しているかという「類似性」と、既存作品をもとにしたかという「依拠性」の両方を確認します。利用許諾の有無や、引用などの権利制限規定の適用も含めて判断するため、似ているだけで必ず侵害になるとは限りません。一方、出典を付けるだけで自由に使えるわけでもありません。

特定の作品を入力して再現を求める場合だけでなく、学習データとの関係も論点になります。利用者自身が元の作品を知らなかったという理由だけで、一律に依拠性がないと判断することはできません。作品名や作家名を指定する場合は、具体的な表現の再現につながらないかを確認します。抽象的な作風と、保護される具体的な表現も同じではありません。

生成物自体に著作権が生じるか

他人の権利を侵害しないかという問題と、生成物自体が著作権で保護されるかという問題は別です。文化庁の整理では、AIが自律的に生成しただけのものは著作物に当たらず、人がAIを道具として創作した表現は保護の対象になり得ます。

指示の長さや生成回数だけで決まるものではなく、具体的な表現への指示や、人が加えた創作的な修正などを個別に見ます。加筆した一部分に創作性があっても、出力全体について同じ結論になるとは限りません。「少し直したから全体を独占できる」とは扱わず、どの表現をどう作ったかを残します。

入力・生成・公開利用の各段階で何をするか

素材をAIへ入力する段階、文章・画像を生成する段階、生成物を公開・配布する段階では、確認する行為が異なります。許諾が必要か、著作権法上の例外が適用されるかは、各行為の目的や方法によって変わります。社内で試作できたことが、そのまま企業ブログに公開できる根拠になるわけではありません。

AIサービスの学習データの問題と、利用者が他社資料を入力する行為も分けます。「学習目的なら何でも自由」と考えず、素材の権利、入力目的、利用方法を確認してください。自社で持っている資料にも、外注した写真や第三者の文章が含まれることがあります。

「商用利用可」だけでは判断が足りない理由

AIツールに「商用利用可」と書かれていても、その表記はツール提供者と利用者の間の利用条件です。第三者の著作権、商標権、肖像に関する権利などを侵害しないことまで、一律に保証するものではありません。

たとえば人物画像を採用ページに掲載する場合、実在の人物に似ていないか、実際の社員と誤認させないかを確認します。ロゴ、商品パッケージ、キャラクター、背景のポスターなども点検対象です。権利の種類が違う問題は、著作権だけで判断を終えないようにします。

文章も同様です。業界の解説をAIで下書きしても、他社の記事に近い表現や、自社の実績ではない内容が混じることがあります。事実や製品仕様の確認と、文章表現の権利確認は、それぞれ必要です。

利用規約は更新されることもあります。契約プラン、入力データの扱い、生成物の利用範囲、補償や免責の条件を、規約のURLと確認日を添えて記録すると、担当交代時にも判断を引き継ぎやすくなります。個別サービスの条件は、その時点の公式規約で確認してください。

公開前の確認を、文章・画像ごとに残す

次の7項目は、企業サイトで使うために整理した確認記録の例です。文化庁の法定必須帳票ではなく、すべて埋めれば適法性が保証される表でもありません。記事単位だけでなく、使用する文章・画像を特定して残します。表は横にスクロールできます。

確認項目 残しておく内容
1. 使う場所 対象の文章・画像、掲載箇所、ブログ・広告・営業資料などの利用予定
2. 入力素材の権利 出所、権利者、許諾・ライセンスの範囲。自社資料内の外注写真・第三者の文章も確認
3. 利用規約 サービス名・プラン、規約URLと確認日、入力・公開利用の条件
4. 生成過程 参照作品、入力素材、主な指示、生成日、採用した出力
5. 既存作品との関係 類似する表現の有無、確認方法と範囲。見つからなかった場合も無侵害の保証とはしない
6. 人の修正 どの表現を、どのように加筆・修正したか。修正部分と出力全体を区別
7. 公開判断 確認者、承認者、確認日、未解決点。疑問が残る箇所の保留理由と確認先

既存作品との関係を調べる際も、非公開原稿や顧客資料を、そのまま第三者の比較サービスへ送らないようにします。確認した範囲を記録し、不明な権利は権利者や専門家に確認します。記録を残すこと自体が、依拠性や侵害を否定する根拠になるわけではありません。

たとえば、出所不明の写真を入力した生成画像なら、「生成物だから素材の権利は関係ない」とせず、元写真の利用条件を確かめるまで使用を保留します。利用条件が明確な素材を用意し直すことも選択肢です。これは想定例で、実際の事故や法的判断の事例ではありません。

会社の運用ルールと、個別の権利判断を分ける

入力情報の機密性や個人情報の扱いは、著作権とは別に確認します。社内全体の用途・ツール・確認者は生成AIの社内利用ガイドライン、目の前の業務で根拠を確かめる力は企業サイト運用のAIリテラシーへ役割を分けます。

法的な結論が必要な案件は適切な法律の専門家へ、日常のページ管理やコンテンツの公開手順はWebの支援者へ、何を確認したいかを分けて相談します。+STOCKのWeb運用支援を、個別案件の適法性を保証する法務サービスとして案内するものではありません。

AIで作業時間を減らせても、誰に向けたページか、何を約束するか、載せない情報は何かという判断は会社に残ります。まずは次の1ページで、使用する素材、確認者、未解決点が追える状態をつくってください。

参照した文化庁の資料

「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)と、「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月31日)を参照しました(2026年9月15日確認)。関連資料は文化庁の「AIと著作権について」で確認できます。これらは行政による考え方の整理で、個別案件の適法性を確定する裁判所の判断ではありません。

この記事は役に立ちましたか?
参考になったら、下記のボタンで教えてください。

有限会社イーデザインショップ代表。グラフィックデザイナーとして1995年に創業し、30年以上にわたりデザインとWebの仕事に携わっています。現在は、法人向けのWordPress制作・保守、Webサイトの分析・改善を中心に、ホームページを長く活用できる経営資産へ育てる支援を行っています。会社まで往復9kmを歩くのが日課の、4児の父です。

関連記事

ワードプレスでお困りの方はお気軽に!

今のホームページ、
誰が責任を持って管理していますか?

現在の保守・セキュリティ対策・管理状況を確認し、いま見直すべきポイントを整理します。
目次